弓道を上達させる上で『体配』はとても重要なポイントです。

 

 

体配の種類は2つあり【立射】と【坐射】があります。

 

 

この2つの特徴と入退場の時の体配について解説していきます。

 

 

最初に体配の【立射】と【坐射】について掘り下げていきましょう。

 

 

体配の【立射】とは

弓道の体配には2つの型があり、その1つが【立射】です。

 

 

【立射】とは、立った姿勢で弓道のすべての動作を行うことを指します。

 

 

完結できている体配なため、初心者・入門したばかりの人は立射から始めます。

 

 

中学生・高校生の体配が【立射】が多い理由

中学生や高校生の大会では体配で【立射】で行われる事が多いです。

 

 

理由は、大会運営場の理由が多いです。

 

 

時間短縮ができること。

 

 

こうした理由から、中学生や高校生の大会では体配で【立射】で行われる事が多くなります。

 

 

なので、大会では本坐、あで進んでから立射の体配で行います。

 

立射での作法

 

審査で立射で行うときの参考になれば嬉しいです。

 

立射での動作は息合でおこないます。

 

立射と坐射で動作が異なる事もあるでしょう。

 

その場合には、立射の射手は坐射の射手の動きにあわせると良いでしょう。

 

 

審査をする際の行射の要領の説明(和服着用で五人立ちのケース)

本座で肌脱ぎ(襷かけ)を行うために、開き足を行います。

その際に・・・

  • 的は見ない。
  • 足を開く。
  • 弓を両手で正面に立てる。(弦正面、右手は弓の鳥打の辺りを保つ)

 

 

なお、襷をかけて入場する射手は・・・・

的正面に向かったまま、肌脱ぎを終えた射 手が的正面に向くまで待つこと。

 

 

肌脱ぎ(襷かけ)が完了したら、弓の目付節まで下げる右手にあわせて、的正面へ向く開き足にする。

 

その後、右手をやや右斜めにして、的正面に向きを少しずつ変えながら左脇へ弓を送る。

*左手は腰から離さないように

*弓はあまり持ち上げないこと

 

本座で坐射の射手が腰を切るのと同時に列を整えるために少し前に出る。

 

 

 

射位で坐射の射手が脇正面に方向を変える開き足のタイミングで、的のほうへ物見しながら足踏み。

 

 

坐射の矢番えに合わせ肩の高さで矢番えをする。(弓と弦の中心に顔がくるように)

 

筈を保ち、捧持する気持ちで、円相にて左膝頭に本弭を置く。

 

坐射での立ち上がる時に・・・

 

  • 取矢(乙矢の場合は、弦調べ)
  • 前の 射手の弦音で取懸け
  • 行射を行う

 

甲矢を射終わり、物見を返し的正面に向きを戻しながら足踏みを閉じる。

 

 

その後、本座まで退がり、末弭を床に置かないで、矢を持ち替える。

 

 

落の弦音で射位に進み、乙矢を行射し退場する。

 

 

その他 の注意点は・・・

 

  • 持的射礼及び一つ的射礼で、定めの座、本座での礼、揖の後、坐射の射手が腰 を切るのに合わせて、少し前に出て、列を合わせる。

  • 持的射礼で、5 番の場合、甲矢を射終わって物見を返したら、足踏みを一端閉 じてもそのままでも構わない。なお、矢番えは同時に行う。

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  • 持的射礼で「物見返しの間合い」の場合、前の射手が本座に退がり始めた時に 次の動作を行う。

  • 競技では、 ①甲矢の行射後、射位にとどまり乙矢を行射する。 ②四つ矢の競技では、持矢を床に置く時と次の一手を取る時は、末弭を床に着 ける。

  • その他については、この「弓礼・弓法問答集(改訂版)」を参考にすること

(出典元:全日本弓道連盟

 

体配の【坐射】とは

弓道の体配には2つの型があり、その1つが【坐射】です。

 

 

【坐射】とは、座り方・跪座(きざ)・座ったままの回り方・歩き方までが坐射の全てになります。

 

 

 

跪座(きざ)は聞き慣れない言葉なので、解説をしておきます。

 

 

跪座とは、ひざまついて座ることを意味します。

 

 

こうした、座りながら・座る動作一連の動きを覚えなければなりません。

 

 

なので、段級審査の評価などにも関わってくる大切な動作が坐射になります。

 

 

更に言えば、甲矢と乙矢というものがあります。

 

 

射位では先に甲矢を番えます。

 

 

甲矢と乙矢についての豆知識

甲矢と乙矢でなぜ、甲矢を先に射るのでしょうか。

 

皆さんご存知ですか。

 

 

理由を知れば、斜位での心持ちも変わります。

 

 

是非覚えていって頂きたいと思います。

 

 

射場に入いる第1歩目の脚は上座や下座の違いから区別します。

 

それと同様に甲矢と乙矢にも上品への礼があるのです。

 

会で乙矢を持てば、接着面が公文席(主催者席や神棚)から見えてしまいます。

 

しかし、会で甲矢を持てば矢とシャフトとの接着面が公文席からは見えません。
一手2本を持つのは最初の一射目を公文席で見ている人たちに捧げること。

 

二射目は自分に捧げるために・・・

 

 

上記の理由から甲矢と乙矢の使い分けは・・・最初に用いる矢には甲矢、次は乙矢となります。

 

 

そうした意味でも、最初の一射(甲矢)が重きを持ち、審査でも試合でも最も貴重とされるのという理由にもなっています。

 

次に入退場の時の体配について解説をしていきます。

 

弓道の体配・入退場の方法

 

全弓連から「弓礼・弓法問答集」というのが出ており、これは弓具店に置いてあるので購入しておくと良いのですが、ここに左足入場の場合の入退場の仕方が書いてあります。

1.入場
先頭
①吸う息で左足を的正面にやや大きく踏み出し、
②吐く息で上座に向かい(上座は神棚がある場合は神棚、無い場合は国旗、国旗も無い場合は審査委員長のあたり)右足を踏み出す。
③吸う息で左足を右足に揃え、上座に意を注ぎ、
④息を吐く。
⑤吸う息で礼をして(45度屈体)
⑥息を吐く。
⑦吸う息で体を起こし、
⑧息を吐く。
⑨吸う息で左足を踏み出す。

二番以下
①吸う息で左足を的正面に踏み出し、
②吐く息で上座に向かって右足を踏み出し、
③吸う息で上座に意を注ぎながら、左足を右足に引き寄せつつ 揖をする(10センチ屈体)
④吐く息で体を起こし、
⑤吸う息で左足を踏み出す。
次の射手は前の射手の⑤の踏み出しに合わせて①の足を踏み出します。

2.退場
退場口の手前(末弭が敷居に届く辺り)で右足に対して左足をL字型に上座方向に小足に踏み、右足を寄せると同時に上座に揖。体を起こし、退場口に向きを変えながら右足、左足と歩行して最後に右足で敷居をまたぎ退場します。

注)1.入退場の礼については、教本基本体礼(揖)の項を参照してください。
2.道場の上座・下座により左右の足を考慮する必要があります。

とあります。
これは持ち的射礼の項目に書いてあるので、審査の落ちの退場が書いてありませんが、落ちは乙矢を引いた後足を閉じ、右足より1歩後退してから右足より本座に向かって進み、本座を過ぎたあたり(おおむね五歩)で退場口へ向かって真っすぐ進み、退場口の中央の手前で上記のとおりのやりかたで退場します。

問答集には息合いで書いてあるので少し難しいですが、入場は1・2・3・4と番号で覚えると分かりやすいです。
大前は
1で左足を的正面に踏み出し、
2で右足を上座に踏み出し、
3で右足に左足を揃え、
4で上座に意を注ぎ
5で45度屈体して礼
6で息を吐き
7で体を起こし
8で息を吐き
9で左足を的正面に踏み出す

二番は大前の9と同時に
1で左足を的正面に踏み出し
2で右足を上座に踏み出し
3で上座に意を注ぎながら左足を右足に寄せつつ揖をする
4で体を起こし
5で左足を的正面に踏み出す

注意していただきたいのは、
・入場も退場も入退場口の中央から入退すること
・第二射場の場合の上座は第二射場の審査員長のあたり
・退場時に障害物で上座が見えないときも、入場した時の上座の方向に揖をすること
です。
出典元:yahoo!知恵袋

 

 

弓道での悩み(体配以外)

弓道初心者の多くが悩むのが体配ではどのような進め方をすればいいのかという方法やマナーなどの知識がなく悩ましいです。

 

体配以外にも、わからないことがあると思います。

 

 

このブログでは『弓道の悩み』というカテゴリーを設けていますので、そちらも併せてみていただければと思います。

⇒ 『弓道の悩み』

 

射法八節の解説についてはこちらの関連記事から詳しくご覧いただくことができます。

 

射法八節