スマッシュの初速が上がらないときは、強く振る前に、大振り・力み・打点・準備・ラケット面・身体と腕の連動を確認しましょう。初心者〜中級者は、まず5割程度のスイングで同じ打点と面を再現できるかを見ます。原因を一つずつ絞り、打った後に構えへ戻れる状態から段階的に強度を上げることが大切です。
初速が上がらない原因を診断する / Today’s Practiceで確かめる
スマッシュの初速が上がるとどのようなことが起きて、どのようなメリットがあるのか。
今回は、バドミントンスマッシュ初速を引き上げていく方法について考えていきましょう。
バドミントンのスマッシュの初速とは
バドミントンのスマッシュの初速とは、スマッシュを打った瞬間の最初の速度になります。
この記事では、相手側へ到達する頃の速度を「終速」と呼びます。測る位置や打つ距離によって値は変わり、落下運動でいう終端速度とは別の意味です。
そして、初速と終速の差は大きく変わります。
理由は、シャトルは特殊な形状をしていて、コルクから羽の先端まで開いていく形になっているので、打つ瞬間の速度がかなり早く、相手の手元ではかなり失速してしまうのです。
初速は到達時間に関わる要素ですが、相手が感じる速さや返しにくさは、打点からの距離、コース、角度、予測のしやすさにも左右されます。初速だけで決定力は決まりません。
次にスマッシュの初速を上げていくメリットについて触れていきましょう。
初速を上げていくメリット
初速が上がると、同じ条件では相手の対応時間を短くできる可能性があります。次の4点を区別して考えましょう。
- スマッシュが速くなる
- 同条件なら相手に届くまでの時間を短くしやすい
- 取りにくいスマッシュになる
- 相手の準備を遅らせ、詰まらせる場合がある
ただし、速さを上げて面や打点が乱れれば、狙い通りのスマッシュにはなりません。
初速とともにコースや角度を保てれば、相手のレシーブを崩す選択肢になります。
それでは、もう少し細かくみていきましょう。
スマッシュが速くなる
初速を上げていくことで、スマッシュが速くなります。
スマッシュを速くするためには、初速を引き上げる必要があります。
最初にスマッシュが当たった時により初速が速ければスマッシュが速くなるということになります。
終速と到達時間は条件をそろえて考える
同じシャトル・距離・軌道なら、初速が高い球は到達までの時間を短くしやすくなります。ただし、受け手付近の速度は空気抵抗や飛行距離にも左右されるため、初速から一定の比率で決まるものではありません。
「手元で伸びる」は受け手の感覚を表す言葉です。通常のスマッシュは空気抵抗で減速しており、相手の手元で再加速するという意味ではありません。
初速と、相手が予想した到達時間とのずれを分けて考えましょう。
取りにくいスマッシュになる
初速が速くなると、スマッシュ全体の速さも上がります。
速さに加えてコースや角度が合えば、相手が準備する余裕を減らせます。
初速が上がることで、スマッシュが打たれた瞬間から相手のレシーバーに届くまでの時間も短くなるため取りにくいスマッシュになります。
「重いスマッシュ」は受け手の感覚
「重いスマッシュ」は、押される・返しにくいという受け手の感覚です。シャトルの質量が増えたり、初速だけで重さが決まったりするわけではありません。
相手の準備が遅れて身体に詰まると、押されたように感じる場合があります。相手の構え・打点・面も関わるため、「重い」という感想だけで初速が上がったとは判断できません。
次は初速が上がらない人の共通点について
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初速が上がらない人の共通点
スマッシュの初速が上がらない人の共通点ということでここでは見ていきましょう。
スマッシュの初速が上がらない原因を3つ挙げていきます。
- 大振りになっている
- 力が入りすぎている
- 打点に入れていない
それでは細かく見ていきましょう。
大振りになっている
スマッシュの初速が上がらない理由の1つに大振りになっていることが考えられます。
必要以上に引く、打点に間に合わない、打った後に戻れない振り方では、当たりやタイミングがずれることがあります。
原因は力みだけでなく、準備の遅れや身体との距離のずれも考えられます。
大振りの修正は、ただ振り幅を小さくすることではありません。必要な準備と自然な振り抜きを残し、同じ打点と戻りを再現できるか確認します。
力が入りすぎている
スマッシュの初速をあげようとして力が入りすぎている可能性があります。
初速にはインパクト付近のラケットの速さと面、当たる位置などが関係します。瞬間的に最大限握ればよいという意味ではありません。
シャトルを打つ前から力が入りすぎていることで初速が遅くなっているかもしれません。
打点に入れていない
初速の速いスマッシュを打つためには、打点に入れる方がシャトルに力が加わりやすく、スマッシュの初速も速くなります。
打点に間に合うように動いていきましょう。
初速を上げていく方法
準備→身体との距離→打点→身体と腕の連動→ラケット面→インパクト→打球後の戻り、の順で確認します。筋力だけを増やす前に、この流れのどこから崩れるかを見つけましょう。
なので、打点に入るためにはフットワークの強化が必要です。
関連記事はこちらからどうぞ
→ バドミントンのフットワークを速くする【簡単】リアクションステップ・トレーニング・練習方法
肩・肘・前腕・グリップの動きは、打点と面に合わせてつながります。必要な振り抜きまで無理に止めないでください。
準備中の余計な握り込みを減らし、面がぶれない範囲で必要な力を伝えます。打った後は自然に振り抜き、次へ準備できる握りへ戻します。強く握ることや、打球後に力を抜くことだけで、すでに離れたシャトルが加速するわけではありません。
身体のバランスを保ちながら腕を動かすことが目的です。腹部やグリップを固め続けたり、前腕の回内だけを強めたりしないでください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、バドミントンスマッシュ初速を引き上げていく方法について解説してきました。
スマッシュの初速を上げていくメリットは
- スマッシュが速くなる
- 同条件なら相手に届くまでの時間を短くしやすい
- 取りにくいスマッシュになる
- 相手の準備を遅らせ、詰まらせる場合がある
でしたね。
初速だけを追わず、面・コース・打球後の戻りも保てる範囲で取り組みましょう。
また、初速が遅い人の共通点も上げていきましたね。
- 大振りになっている
- 力が入りすぎている
- 打点に入れていない
改善できたら、同じ条件で打点と当たりの再現性を比較します。実際の初速の増減は、測定せずに断定しないことも大切です。
速いスマッシュが打てるように練習していきましょう。
また、スマッシュの打ち方や練習方法についてはこちらの関連記事をご覧ください。
色々な方法を載せています。
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初速が上がらない原因を一つずつ診断する
初速は、ラケットでシャトルを打った直後の速さです。終速は、シャトルが相手の近くへ届いたときの速さです。シャトルは羽根の空気抵抗で急に減速するため、初速と終速には大きな差が出ます。
初速が上がらないときに、いきなり全力スマッシュを繰り返す必要はありません。大久保メソッドでは、準備、姿勢、打点、ラケット面、大振り、力み、身体連動を分け、最初に崩れた一点だけを直します。速さより先に、同じ打点と同じ面で打てる再現性を作りましょう。
原因1.大振りになっている
症状:強く振るほど振り遅れる、打った後に身体が流れる、次の構えへ戻れない状態です。
原因:準備の大きさやタイミングが球に合わず、打点が遅れたり力んだりしている可能性があります。振り幅が大きいことだけで原因と断定しません。
最初の確認:5割の素振りで、ラケットが同じ打点を通り、振った後に姿勢と構えへ戻れるか確認します。
今日やる練習:5割の素振りを5回行い、準備から同じ打点を通って自然に振り抜き、構えへ戻れるか確認します。インパクト位置でラケットを止める練習にはしません。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:速く振ることを優先し、振った後の姿勢を確認しないことです。
詳細記事:大振りの診断を深める場合は、オーバーヘッドストロークの準備とフォームへ。レシーブ用の短い振りを、そのままスマッシュへ当てはめないでください。
原因2.力んでしまう
症状:全力で振っているのにシャトルへ力が伝わらない、肩が上がる、打った後もグリップを強く握ったままになる状態です。
原因:構えた時点から肩、腕、グリップへ力が入り、インパクトで使う動きの余裕がなくなっています。
最初の確認:構えた状態で肩を上げず、グリップを軽く握り直せるか確認します。
今日やる練習:軽く構える→5割で振る→構えへ戻る動作を10回行い、肩が上がらなかった回数を数えます。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:最初から強く握り、肩と腕を固めたまま速く振ろうとすることです。
詳細記事:前腕と面の関係が分からない場合は、回内・回外の基本へ。前腕だけを強く回す練習にはしません。
原因3.打点が低い・身体の後ろになる
症状:シャトルが落ちてから打つ、身体を反らして打つ、強く振っても角度と速度が安定しない状態です。
原因:落下点へ入るのが遅いか、シャトルを待ち過ぎて、力を伝えやすい打点を外しています。
最初の確認:同じ位置への遅い球出しで、身体の前上方の無理なく届く打点に面を合わせられるか確認します。高ければ高いほどよいわけではありません。
今日やる練習:5割の力で10球打ち、無理のない打点・面・打球後のバランスがそろった球を数えます。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:足が止まったまま腕だけを伸ばし、身体の後ろで打つことです。
詳細記事:後方への入りが遅れる場合は、上のフットワーク記事で最初の一歩を確認してください。
原因4.準備が遅い
症状:シャトルが来てからラケットを上げる、足が止まったままになり、いつも打点へ遅れて入る状態です。
原因:次の球へ動ける構えが遅れ、球の方向を見てからの移動とラケット準備を急いでいます。
最初の確認:相手が打つ前に次へ動ける構えを作り、球の方向を見てから打点へ入る準備ができるか確認します。スマッシュの構えを先に決めつけないでください。
今日やる練習:球出し前に構える→一歩動く→止まって5割で振る動作を左右5回ずつ、合計10回行います。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:シャトルが出てから構え、移動とスイングを同時に急ぐことです。
詳細記事:打点へ入る準備は、この記事の「初速を上げていく方法」の順番へ戻って確認してください。
原因5.ラケット面が安定しない
症状:同じ場所から打っても左右へ散る、シャトルを切るように当てる、強く振るほど当たりが薄くなる状態です。
原因:インパクト前後でラケット面が変わり、力がシャトルへまっすぐ伝わっていません。
最初の確認:5割のショットを10球打ち、同じ方向の範囲へ集められるか確認します。
今日やる練習:コートに狙う範囲を決め、5割で10球打ちます。速さではなく、範囲内へ入った球数を記録します。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:コースが散っているのに力を上げ、手首で面を合わせようとすることです。
詳細記事:芯に当たらないことが主な症状なら、スイートスポットに当たらない原因へ。
原因6.身体の連動がうまくいかない
症状:足、身体、腕を大きく動かしているのに力が伝わらない、タイミングが毎回変わる状態です。
原因:身体全体を使おうとして、足、姿勢、打点、腕の順序を一度に速くしています。
最初の確認:止まった5割のスイングで、姿勢と打点を同じ位置に再現できるか確認します。
今日やる練習:足を止めた5割スイングを10回行い、同じ打点と姿勢を再現できた回数を数えます。
進む・戻る基準は、下のToday’s Practiceで共通に確認します。
よくある失敗:足、腰、肩、腕を一度に速く動かし、どこから崩れたか分からなくなることです。
詳細記事:フォーム全体を確認したい場合は、大振りの項目で紹介したオーバーヘッドストロークの記事へ進んでください。
Today’s Practice|5割から再現性を確かめる6段階
同じ球出し・シャトルで一項目ずつ比較します。球数と成功目安は運用の目安です。休憩を挟み、一日にすべて終える必要はありません。速度測定なしで、球速が上がったとは断定しません。
STEP1|素振りで準備と打点を確認
- 回数:5割程度の素振り10回
- 成功目標:8回程度、無理のない打点を通って自然に振り抜き、構えへ戻る
- 次へ進む基準:力みや姿勢の崩れが少なければSTEP2へ
- 戻る基準:崩れるなら速度を落とし、準備と距離の一方だけを見直す
- よくある失敗と修正:小さく振ることだけを目指す。必要な準備と振り抜きを残す。
STEP2|手投げで軽く当てる
- 回数:同じ位置への手投げを10球
- 成功目標:7球程度で打点と面がそろい、戻れる
- 次へ進む基準:当たりがそろえばSTEP3へ
- 戻る基準:空振りや詰まりが続けばSTEP1へ
- よくある失敗と修正:強く叩く。短い距離で軽く触り、球出し役は振る範囲から離れる。
STEP3|5割スマッシュを比較する
- 回数:同じ遅い球出しで10球
- 成功目標:7球程度を指定した広めの範囲へ返し、面・打点・戻りがそろう
- 次へ進む基準:同じ条件の傾向が分かればSTEP4へ
- 戻る基準:当たりがばらつけばSTEP2へ
- よくある失敗と修正:飛んだ1球だけで判断する。失敗の種類と力みも記録する。
STEP4|大振り・力み・面から一点を確認
- 回数:動画や協力者の観察で5球、その一点だけ変えて5球
- 成功目標:最初に崩れる候補を一つ選び、同じ条件で比べる
- 次へ進む基準:改善が見られ、5割の再現性が保てたらSTEP5へ
- 戻る基準:悪化したらSTEP3へ。確認点を一つに戻す
- よくある失敗と修正:すべてを同時に直す。準備から順に見る。
STEP5|7割程度へ上げる
- 回数:同じ球出しで10球
- 成功目標:7球程度で5割と近い打点・面を保ち、力みが増えず戻れる
- 次へ進む基準:再現できればSTEP6へ
- 戻る基準:握り込み・振り遅れ・面の乱れが出たらSTEP3へ
- よくある失敗と修正:7割を全力にする。速さより準備と当たりを比べる。
STEP6|移動を加えて実戦へつなぐ
- 回数:1〜2歩の移動を加え10球。安定したら2方向の遅い球出し5球
- 成功目標:移動や判断が加わっても、選んだ一点と打球後の戻りを保つ
- 次へ進む基準:多くの球で再現できたら次回も確認し、テンポを少しずつ上げる
- 戻る基準:移動で崩れるならSTEP5へ戻し、球出し間隔を広げる
- よくある失敗と修正:打てない体勢でも強打する。無理な球はつなぎ、条件を整える。
速度記録と練習の目標は分けて考える
2026年10月2日に確認したGuinness World Records公式ページには、男子の最速ヒットとしてサトウィクサイラジ・ランキレッディ選手の565km/h(2023年4月14日)が掲載されています。高速度カメラでインパクト直後を測った記録であり、試合中の記録とは条件を分けて扱います。一般の練習では記録の数字より、同じ条件での打点・面・戻りを優先してください。
初速診断の次は必要な詳細記事へ進む
この記事では、初速が上がらない原因の診断と最初の練習だけを扱いました。スマッシュのフォーム、角度、安定、威力、練習方法をまとめて確認したい方は、既存のスマッシュ最速の打ち方・完全ガイドへ進んでください。
今日は速さではなく、再現性を練習してください。
よくある質問|測定器がないと初速の改善は分かりませんか?
打球音や相手の感想だけでは、初速が上がったと断定できません。まず同じ球出しで当たり・方向・力み・戻りを記録し、フォームの再現性を比較します。速度を測る場合も、測定位置や方法、シャトルをそろえて比べましょう。
自分では原因が分からない方へ
打点や力みを直接確認してほしい方は、ベシバドの初心者〜中級者向けレッスンも参考にしてください。





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